変形性膝関節症について

正常な膝関節

膝関節は腿(もも)の骨(大腿骨)の末端と脛(すね)の骨(脛骨)の上端に位置し、ここで自由に曲げ伸ばしの運動ができるようになっています。
この骨の表面には、軟骨半月板という軟らかいクッションがあり、膝にかかる衝撃を吸収し、滑らかに動くようにするのが役目です(図1)。

変形性膝関節症

一般的な経過は、加齢により徐々に軟骨や半月板が磨り減って、しだいに硬い骨までも破壊されます。
この過程において様々な炎症(発痛)物質が出現して、膝痛となって現れます。
しかし、個人差が大きく、同じ年齢でも軟骨や骨の減り方は異なります。
原因として民族的な要素(遺伝)や若い時にどれくらい膝に負担のかかる仕事をしてきたのか、体重、合併症の有無、外傷歴などがあります(図2)。


図1:正常な膝関節


図2:変性が進んだ膝関節

はじめに

高齢化社会を迎え変形性膝関節症は増加の一途をたどっています。
その発生頻度は60歳以上で人口の80%以上に何らかのレントゲン上の変化を有し、40%以上に症状が出現すると言われています

膝関節の変形

図3に示すように、正常な膝関節において大腿骨は脛骨に対し、若干外側に傾いています。
しかし、内側の軟骨が減ってしまうと、大腿骨も脛骨も徐々に内側へ傾いていきます。
これが内反膝(O脚)といい、日本人のほとんどがこのタイプです(図4)。
逆に大腿骨、脛骨ともに外側に傾いていくのが外反膝(X脚)です。
関節リウマチの方に多い傾向のある変形です。


図3:正常膝関節レントゲン像


図4:変形性膝関節症のレントゲン像

戻る
1/2
次へ